水谷>
新「何処に行ったんだろう…沖田さん…」
新八は沖田の行くところ全てを回りつくしたはずなのに江戸中を歩き回っても何処にもいなかった。
新「どうしよう…早く、会いたいのに」
新八は悩みながら道を歩く。
蝉麿 >
この間までは同じだった風景もまるで沖田さんと出会ったあの時からとは別のように見える。
「沖田さんは凄い人だな・・僕の世界を変えてくれたんだから」 
ムサ >
新八は知らず早くなる足をどこに向けたものかと立ち止まった。
会えないということで寂しさが積もって、ふとした拍子に泣き出しそうになる。
流風 >
新八は、涙をこらえながら、『沖田さんなら呼んだらでてくるかも』、と思い、
「沖田さーん…」と少し大きめの声で呼んでみた。
ナツメ >
道行く人が振り返る中、きょろきょろと新八は辺りを見回すが、その中にあの綺麗な金髪はない。
必死に耐えていた涙が、ぽろっと零れ落ちたのを始まりに、ぼろぼろと堰を切ったように流れ出した。
キユ >
涙は止めどなく溢れてきて視界がぼやける。
寂しいのに、どうしてあの人は今僕のそばにいないのだろう。
          
水谷 >
 「おき…たさぁ……ふぐっ…」
いつからだろう…。沖田が新八の傍に来たのは、当たり前になったのは…。
呼んでもいないのに傍にいて、からかったり、ふざけたり…そして、寂しい時には抱き締めてくれた。
とても嬉しかったのに、それがいつの間にか日常になって、当たり前になって…。
「(僕は…欲張りだ…)」目の前霞む目を袖で擦り、新八はまた沖田を探し始める。
蝉麿 >
どうして、何も用事がない時には現れるのに今会いたくて会いたくて仕方がない時には現れてくれないのだろうか?
「沖田さんなんって・・・」 
新八がぼそりと何かを言いかけた時に背後から沖田らしき声が聞えた。
ムサ >
「その先ァ、言わねェで貰えるかィ」
はっとして、新八は振り返った。
その拍子に目に溜めていた涙は、またつっと頬を流れ落ちる。
走って来たのか息を切らせがら、沖田はそれを見て困ったように笑った。
流風 >
 「何、泣いてるんでさァ、情けねェ」
新八はそれを聞かないように沖田に抱きつく。
ナツメ >
ぎゅううっと縋るように抱きついてくる新八は、いつも気丈な彼とは少し違って、沖田は優しく抱きしめ返して、あやすように、髪を撫でた。
キユ >
「泣いてなんか、いません」
新八は沖田の顔を見ないまま続ける。
「…少し、寂しかっただけです」
そして、小さな声でそう呟いた。
水谷 >
「…はぁ」
溜息をついた声が聞こえた新八は「うっ」と一言いい、下唇を少し噛む。
自分だけが寂しいと思っていたのかとそう思うとまた目から涙が溢れそうだった。
「新八ぃ、そりゃ反則ですぜぇ?」
「はあ?」
いきなりわけのわからない事を言い出す沖田に新八は反射的に後ろを振り向く。
「しかもこんなに目を潤しちまって…」
蝉麿 >
分けもわからなくてじっと沖田の目を見ている新八。
沖田はその新八の仕草があまりにも可愛くて周りに人がいるにも関わらず、その場で新八に無理やりキスをした。
ムサ >
「んッ!」
キスをされたことに新八がようやく気付いた時は、すでに沖田は唇をはなしていて。
その場にはふわりとした沖田の匂いだけが残っていて。
その安心感に、新八はまたぽろぽろと涙を零した。
流風 >
「あー…もう、いい加減に泣き止んでくだせェ」
そう呟くと新八はだって、と抗議をした。
すると沖田は耳元で
「これ以上泣かれると欲情してしまいまさァ」
といった。
ナツメ >
「な…っ…」
囁かれた耳元に沖田の息が触れて新八は顔を赤らめる。
慌てて沖田を押しのけようと手を伸ばすと、その手をがしり、と強めに掴まれた。
見上げれば、沖田はあの何か禄でもないことを企むときの、不穏な笑顔を浮かべている。
水谷 >
こういう時の沖田を知っている新八は今、最速で「この場から逃げたい!」と心の中で思った。
しかし手はがしりと捕まれて、しかもさりげなく腰にも手を回している…。
「誘ったのは…そっちですぜぇ?」
「誘ってません!」
と新八は大声で言いたかったが、さすがに大通りのとこでは叫べない。
そこで今気付いたのか、大通りでこんなに抱き締めあっている。
キスもした……そこまで考えた瞬間新八は茹蛸になった。
ムサ >
「さ、誘ってませんし、放してください…」
羞恥に新八の声は今にも消え入りそうで、着物越しの心臓の音の方が良く聞こえるようだった。
そんな新八の背を沖田は愛しげに優しく二三度撫でる。
そして、そのまま小柄な新八の体をひょいと肩に担ぎ上げた。
流風 >
「新八くん、移動しやしょう。ここじゃ集中できねェ」
そういって沖田はどこか怪しげな建物へ足を向けた。
新八にはその行為は、沖田が自分の気持ちを分かってくれたかのように感じた。
水谷 >
移動してくれるのは嬉しいと思うが、自分を担ぎ上げたまま移動するなと新八は言いたい。
しかしココまで上機嫌な沖田をへそ曲げするのもイヤだしと新八は大人しく従う。
建物中に入り、そういう方向のところなのか、もう布団は敷かれていた。
ムサ >
その布団へゴロンと降ろされた新八は、辺りを見回してから「どこですかここ?」と言うように沖田を見上げた。
「ここは俺の秘密基地ですぜィ」
沖田は新八の心の内を読んだかのようにそう答えると、新八の眼鏡を外しながらこう言った。
「ここでだったらいくらでも泣いて構わねェさ」
ニヤリとする沖田に何か良からぬものを感じて、新八は少したじろいだ。
流風 >
「前にもいったろィ?俺は泣き顔が大好きなんでさァ」
人を見下すような鋭い視線で柔らかい口調でそういった。
「聞いてません!」
「嘘だね、みんなの前で言ったはずだ。特に…君の前では何度も…」
そういって沖田は新八の服に手をかけた。
水谷 >
ビクッと新八は身体を震わす。
何度も身体を重ねた事があるのにまだこんな初々しさがある新八に沖田は更に含みある笑顔をする。
「新八さんはぁ…何処が弱いんでしたっけぇ?」
服の中に入ってきた手をワザと胸の飾りには直接触らないで周りを撫でる。
もう片方の手では器用に何処から出したのか紐で新八の両手首に結び、布団の上にある柱に結んだ。
ムサ >
「え…沖田さ…」
頭の上で両手を結わえられて、新八は抗議の声を上げようとした。
それを沖田が言いくるめてしまおうと、新八の両手首と柱とを括り付けている時だった。
新八の手のひらから何かがポロリと零れ落ちる。
新八はしまったと言う顔で沖田を見上げた。
「そ、それを渡そうと思って沖田さんを探していたんです」
おそらくそれを、新八は今までずっと握り締めていたのだろう。
流風 >
それは、前々から沖田の探していた刀の鍔だった。
「最近悪くなってるんでさァ」と愚痴っていたのを覚えていたらしいのだ。
「新八…コレ」
「沖田さんが!…探してるっていうから…家から良いのを持ってきたんです。」
沖田はますますうれしくなり、新八に深いキスをした。


To be continued!



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